20260603

バンコク10年目、僕の「ゆる糖質制限」サバイバル

 

バンコクに暮らし始めて10年が経った。

年中暑いこの街で、年齢とともに変わる体調を管理するために、僕がいつの間にか日常に組み込んでいたのが「糖質制限」だ。

糖質制限と言っても、日本のジムで指導されるようなストイックなものではない。ここはタイ・バンコク。屋台からは四六時中、甘辛いタレや油の匂いが漂い、至る所に炭水化物の誘惑がある。そんな環境で10年間サバイバルしてきた、僕のリアルな食の経験を少し書き残しておこうと思う。

ローカルの知恵と、日本のクオリティ

僕の糖質制限は、決して特別なプロテインフードや、高価なサプリメントに頼るものではない。日々の暮らし、いつもの買い物の動線の中で、自然と定番が決まっていった。

ちょっと小腹がすいた時、手軽にタンパク質を補給したい時は、セブンイレブンの冷蔵棚へ向かう。手を伸ばすのは、真空パックに入った殻剥きのゆで卵だ。最初から剥いてあるのがありがたい。自宅で手軽につまむなら、ツナ缶を開けてキューピーのマヨネーズをこれでもかと和えただけのシンプルな一品が定番になっている。

がっつり肉を食べてエネルギーを補給したい夜は、フジスーパーへ行ってサーロインステーキの塊肉を買い、自宅でジューシーに焼き上げる。これぞ糖質制限の特権、と思える至福の時間だ。

ただ、もっと日常的で、僕の冷蔵庫に高い確率でストックされている肉製品がある。伊藤ハムの「バイエルン」だ。タイの畜産大手ベタグロ(Betagro)と提携している商品なのだが、これが実にいい。個人的には、あの日本のシャウエッセンよりも旨いんじゃないかと思ってヘビロテしている。パリッとした小気味いい食感とジューシーさは、タイのソーセージ界において群を抜いていると思う。

タイの熱気に溶け込むディナー

「タイ料理は砂糖を多く使うから糖質制限に向かない」

よくそう言われるし、実際それは一理ある。しかし、選び方と組み合わせ次第で、最高の低糖質メニューに変貌する。

僕のお気に入りは、コームヤーン(豚トロ焼き)とソムタム(青パパイヤのサラダ)のコンビだ。ジューシーな脂の旨味があるコームヤーンに、酸味と辛味が効いたソムタム。これぞタイ風ローカル低糖質ディナーの決定版。注文時に「甘くしないで(マイ・ワーン)」と一言添えるのが、ささやかな僕のこだわりだ。

そして、時にはMKレストランでの「おひとりさま」も敢行する。大きな鍋を一人で占領し、スープに好みの野菜とお肉、そして少しの練り物を次々と突っ込んでいく。余計な炭水化物を一切摂らずに、お腹も心も大満足できる。これもバンコクならではの、贅沢で気楽な糖質制限スタイルだ。

少し外食が続いて野菜不足を感じた時は、ショッピングモールのフードコートにあるベジタリアン(ジェー)のコーナーへ駆け込む。自分は決してベジタリアンというわけではないのだが、ここのメニューは手軽に、そして大量に野菜を摂取するのに実に重宝している。

街のストリートから届く自然の恵み

バンコクの面白さは、やっぱりストリートにある。

市場に並ぶ新鮮な野菜たちを吟味するのも楽しいし、時折、軽トラックの荷台に果物を積んで売りに来る移動販売も見逃せない。ナスのような形をしたタイ産のアボカドを見つけると、思わず足が止まる。小ぶりで不格好だが、割ってみるとねっとりと濃厚で、これが本当に旨い。

フルーツ天国のタイだが、糖質制限中にマンゴーやドリアンを爆食いするのはさすがに命取りだ。だから、僕がカットフルーツの屋台で選ぶのは、もっぱらグアバ(ファラン)と決まっている。あの程よい歯ごたえと、驚くほど控えめな優しい甘さが、今の僕の身体にはちょうどいい。

身体を動かした後は、ジャンクに見えて実は優秀なタンパク質源であるKFC(ケンタッキー)へ滑り込む。あるいは、自宅でのんびり過ごしたい日は、ファイブスターチキン(Five Star Chicken)をデリバリーする。あのローカル感あふれる、こんがり焼けたローストチキンは、僕のバンコク糖質制限生活に欠かせない最後のピースだ。

良質な炭水化物、そしていつもの茶

もちろん、10年も続けていれば、完全に炭水化物をゼロにしているわけではない。要は付き合い方だ。

朝食の定番は、マクギャレットのオートミール(ロールドオーツ)。お湯でふやかしてサラサラといただく。 そして、どうしてもお米の食感が恋しくなった時は、セブンイレブンで売っているライスベリー(タイの黒紫米)のお弁当を選ぶ。白米よりも血糖値が上がりにくく、独特のプチプチとした香ばしい食感が気に入っている。

こうした日々の食事の傍らには、いつもタイの定番「三馬茶(サームマウラー)」がある。

お世辞にも高級とは言えないけれど、どこか懐かしく、すっきりとした味わい。熱いバンコクの日常と、僕の少しゆるめの糖質制限生活を、その一杯がいつも綺麗に洗い流してくれるような気がしている。

💡 僕のバンコク糖質制限おさらいリスト

  • セブンイレブンの真空パックゆで卵(殻むき、小腹がすいた時の救世主)

  • ツナ缶 & キューピーマヨネーズ(自宅の超定番)

  • 伊藤ハムの「バイエルン」(ベタグロ提携。シャウエッセン超えの旨さ)

  • フジスーパーのサーロインステーキ(がっつりタンパク質補給のご褒美肉)

  • コームヤーン & ソムタム(タイローカル低糖質ディナーの最強コンビ)

  • MKレストランの「おひとりさま」(余計な炭水化物を抜ける究極の鍋)

  • フードコートのベジタリアン(ジェー)メニュー(野菜不足時の駆け込み寺)

  • 市場の新鮮野菜(日々の食卓を支えるベース)

  • トラックのタイ産アボカド(ナス型で不格好だけど、ねっとり濃厚)

  • カットフルーツ屋台のグアバ(ファラン)(糖質制限中のベスト・オブ・フルーツ)

  • ジムの後のKFC(運動後の手軽なタンパク質補給)

  • ファイブスターチキンのデリバリー(ローカル感あふれる絶品ローストチキン)

  • マクギャレットのオートミール(ロールド)(朝食の定番)

  • セブンイレブンのライスベリー弁当(お米が恋しい時の良質な炭水化物)

  • 三馬茶(サームマウラー)(日常の食卓をすっきり洗い流す相棒)

    リストは、今後も追加予定