20260417

コテコテのホテルと、夜のバックビーチ散歩——ブンタウ到着

夕方、ようやくブンタウに着いた。

ホーチミンの空港から2時間。道中のバインミー休憩を挟んだとはいえ、さすがに疲れた。若くもないし、移動だけでそれなりに体力を使う。チェックインしてひと息つけるだけで、もう十分だった。

今回泊まったのは、インペリアルホテルだ。

ブンタウのビーチは、フロントビーチとバックビーチ。砂浜があるのは、バックビーチ。インペリアルホテルは、バックビーチ沿いに建っている。

入った瞬間、思わず圧倒された。その1秒後に、ちょっと、笑いそうにもなった。

なにしろすごいデコレーションだ。コテコテ、という言葉がこれほど似合うホテルもなかなかない。柱、天井、内装——あらゆるところに装飾が施されている。

これはコロニアル建築というやつなのか、アールデコというやつなのか、正直よくわからない。ただ、ベトナム全体にこういう建築が多い印象がある。フランス統治時代の影響だろうとは思うのだが、それにしても、すごいな、というのが率直な感想だ。細部へのこだわりが、日本の感覚とはスケールが違う。

疲れていたので、夕食はホテルに併設されたシーフードレストランで済ませることにした。

La Sirenaというレストランだ。


ホテル併設ということもあって、雰囲気はちょっとファンシー過ぎる。地元の食堂でローカルなものを食べる、というテンションではない。ただ、疲れているときに外をうろうろして店を探す気力もなく、まあいいかと着席した。

頼んだ料理の中で特に印象に残ったのが、模様のある巻貝のソルトエッグ和えだ。塩漬け卵のコーティングが貝にまとわりついていて、これがやたらと旨い。気づいたらしこたま食べていた。エビのカクテルソースも立派なサイズで、これも美味だった。ファンシー過ぎる雰囲気に若干引いていたわりに、料理はちゃんと美味しかった。まあ、いっかと思えた。

合計1,986,352ドン。日本円で大体12,000円ほど。ベトナムにしては安くはないが、ホテル併設でシーフードをこれだけ食べれば、まあそんなものか。

そして後から気づくのだが、この巻貝が、ブンタウでの貝三昧の幕開けだった。まだこの時点では知る由もなかったが。


食後、少しだけ海を散歩した。

インペリアルホテルの2階から、渡り廊下でそのままビーチにアクセスできる。これは便利だ。わざわざ外に出て、道を渡って、という手間がない。

タムタンタワー

夜のバックビーチは想像以上に賑わっていた。昼間の暑さで外出を控えていた人たちが、夕涼みに出てきているのだろう。タムタンタワーという、ランドマークを中心に、散歩している家族、たむろしている若者、ジョギングしている人。日本の夏の夕涼みに近い空気感があった。暑い国の人たちは、夜に外に出る。それはバンコクでも同じで、ブンタウも例外ではなかった。

ビーチは白砂で、長い。バックビーチというだけあって、奥行きがある。夜だからその全貌はよくわからないが、昼間に見たらかなり気持ちの良いビーチだろうと思った。

そして沖のほうに、ライトアップされた構造物が見える。

幻想的、という言葉がそのまま当てはまる。イタリア人建築家が設計したと後から知ったが、なるほどと思った。ベトナムの夜景の中に、ちょっとヨーロッパ的な存在感がある。こんなものがブンタウにあるとは、まったく知らなかった。

初日は、こうして静かに終わった。

疲れていたし、大きな観光もしていない。それでも、ホテルのコテコテな内装、La Sirenaの巻貝とエビ、夜のビーチ散歩とタムタンタワーのライトアップ——それだけで、ブンタウという場所の輪郭が少し見えてきた気がした。

次回は、ブンタウの昼間の話を。