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2022年3月17日

ソンクランにバンコクに居たくない個人的な理由

ああ、終わらない夏、タイランド。

タイは、1年中、暑いか、めっちゃ暑いか、超暑いかしかない。あとは雨季か乾季か、その程度の季節感しかないのである。1年中暑い。その中でも、特に暑い、暑いof暑い時期は、2月から4月頃にかけてである。4月にはソンクラン休みというのがあって、これはタイでは1番重要な休み。そして水掛祭りをするのだ。コロナ前はタイのソンクランフェスティバルには、もうたくさんの観光客がタイに訪れてた。結構日本の有名人もお忍びで来ていたりした。まあ、それがコロナで、この2年以上もタイは閑古鳥が泣いているのだ。観光立国タイはあの手この手で、なんとか観光客を呼び戻そうとしているのだ。そしてコロナもいよいよ落ち着いてきて、タイ政府はこの7月にパンデミックからエンデミックにするというアナウンスメントをした。つまり。コロナになっても、普通の風邪と同じように扱って良い、ということになるのだ。そうなったら、いよいよ、観光客も戻ってくるだろう。

しかしタイに来たのは5年前で、ということは、このコロナ禍を丸々タイで経験しているわけだが、全く季節感もなく、いつの事だか思い出せなくなっている。日本にいたら、季節も違うし、花は咲くし雪は降るので、大体何かの出来事と記憶が紐づいていたりするので、「ああ、一昨年の夏休みはハワイに行ったよね〜」みたいなことがすんなりと出てくるのであるが、タイに暮らしていると、去年も一昨年も3年前も、全く特徴のない日々だったりするので、それがいつの事だか正確に思い出せなかったりする。それにしても、タイは色々と頑張ったなと思うわ。もし本当に7月にエンデミックになるという事であれば、よくまあ、コロナ禍を持ち堪えたなあ、、と思う。肌感覚で、タイ在住の日本人も相当数日本に帰国している。それだけ日本人も減ったと思う。

swimming pool moonlight
タイでは、夜になってから泳いでも全く寒くない。そして、ちょっとしたアパートやコンドミニアムにはプールがついている。1年中、真夏のタイでは、1年中プールに入れる。

さてこのソンクランというのは、一番激しいのはおそらくカオサンあたりである。バックパッカーはじめ、世界の若者の旅行者が集っている場所なので、そりゃもう、大変なことになる。その大変さは、ちょっと子供とかを連れて行けないような光景である。もちろん、コロナ前の話だけど。しかも最近んは、水をかけるだけではなくて、何か塗料のようなものをかけたりするので、大変である。もちろん、お祭りなので、あまり大変だ大変だって言いたくはないけど、子供はソンクランのカオサンには連れて行けない。ただ、今年のソンクランは、去年、一昨年と同様、静かなものになるだろう。まだコロナ禍が終わったわけではないからである。エンデミックになるのは7月以降という事なので、4月のソンクランは、まだ規制中ということになる。しかしながら、もちろん、去年、一昨年よりは少しは人もいると思う。ここ最近はバンコクにもバックパッカーと思しき白人の若者がチラチラ見え始めているので、おそらく、欧米人を中心に少しは人が増えていることと思う。

カオサン通りだけではない。いわゆるトンロー、プロンポン、アソークといった、日本人がいも別の意味で大変なことになる。アパートやコンドミニアムの敷地の蛇口はもう出っ放しである。そこから長いホースを伸ばして、通行人に水をかけるのだ。ほとんどの子供たちはマシンガンのような形をした水鉄砲を持っていて、それで掛け合っている。まあ、タチ悪いのは日本人駐在妻たちである。もちろん、駐在妻が全員悪いというわけではない。それでも、僕が見た数人は、もう何かに取り憑かれたように通行人に水をかけまくっているのである。

駐在妻というのはとにかく日頃からストレスが溜まっている。人もいる。ストレスというよりも、鬱憤である。なぜ鬱憤がたまるかといえば、これはもう、駐在独特としか説明がつかない。日本人のタイでの駐在というのは、当たり前だけどまず夫の駐在についてきた、そもそも海外志向という訳ではなかったというケースがほとんどである。タイ語はもちろん、英語もできない人もたくさんいる。要するに、そこら辺のサラリーマン家庭ということだ。欧米への駐在とも違うのは、バンコクとか、もう一つ日本人の多いシラチャーであれば、日本語である程度生活できたりするという点が独特である。なまじ、英語もタイ語もとりあえずは必要がないので、もちろん覚えたりしないし、よく店でタイ人の店員さん相手に日本語で押し通そうとしているいかにも駐妻らしき人をよく見かけた。

タイに来て最初は楽しいだろうけど、もちろん、日本とは勝手が違う。だんだんだんだんキツくなってくるのです。旦那がサポートしてくれるかというと、そんなことはない。旦那は、夜は帰ってこないし、土日もゴルフで帰ってこない。よくあるタイの日本人家庭の光景である。駐在妻は、1人でポツンと家にいたりする。そして鬱憤が溜まりにたまるのだ。

鬱憤が溜まった状態でソンクランを迎えるとどういうことが起こるかというと、とにかく、気でも狂ったのか?とも聞きたくなるような行動に出る。とにかく通行人に水をかけまくる。まあ、もちろん、ソンクランだし、お祭りだし、かけられる方も、ノリ良くしていたりするけど、これが本当にドバッとかけられると結構洒落にならなかったりする。しかも、たまたまトゥクトゥクとかシーローというような外との仕切りのない乗り物が通って、渋滞で停まっていたりすると、その乗客をターゲットにして、水をかけるというか、もうバケツで頭から流すというような行動に出る。乗客は逃げ場がないので、そのままもう本当にずぶ濡れになるだけである。ソンクランとはいえ、まるで服を着たままプールにでも入ったかのうような状態にさらされるのだ。された方は、一瞬怒りが込み上げるが、同じようにソンクランだから。。。みたいな、周囲の異様な盛り上がりの雰囲気で、「ここでは怒っては行けないんだ。」みたいな、妙な圧力がかかって、されるがままの状態になったりする。

僕も実は、トゥクトゥクに乗っていた時に、道路の端からバケツを持ってきた人にやられたことがあるけど、もう、逃げ場なく、ただただ大きなバケツいっぱいの水を、そのまま頭からかけられることになったのだ。オープンエアーのシーロー。お祭りということもあり、人でごった返しているし、なかなか前には進めない。止まっていると、アパートの入り口の水場からバケツいっぱいの氷水を入れたおばちゃんがやってきた。見るからに、鬱憤を晴らしている真っ最中という体裁の駐妻である。僕の頭の上で、バザーっとバケツをひっくり返す。とにかく、シーローという狭いダイハツの軽トラック、ハイジェットの荷台に乗っている僕は、逃げ場がないのだ。

本当に心臓が止まるかと思った。大量の氷水が身体中を駆け巡る。そして周囲は、いえ〜い!!という感じで盛り上がっている。なぜかといえば、お祭りだから。お祭りなのに、真剣に怒るというのは、いかにも無粋な行為なので、こっちも、やられて怒りが込み上げているにもかかわらず、盛り上がって楽しいふりをした。ああ、辺なところで日本人的な同調圧力に屈している自分が発動する。

しかも、かけた方が笑っている。いや、笑っているのは当然だ。なぜなら、やられた僕も、笑顔で盛り上がっているのだから。周囲の人もただ盛り上がっている。そう。ここは、決して怒ったり喧嘩したりする場面ではない。お祭りなのだから、ただ、本当に嫌である。しかも悪いことに、氷水だったのだ。その、氷というけど、よくコンビニとかに売ってるロックアイスともまた違う。タイには、まだ冷蔵庫がそれほど普及していない時代の名残で、よく、街中に製氷屋さんがある。日本にもあるけど、だいぶ減っているけど、氷を作っている会社である。会社というか、街の小さな店だけど。その製氷屋さんから持ってきた氷だから、これがまた、大きくて冷たいのである。これは下手したら、本当に心臓麻痺になるだろう。

悪ふざけの何者でもない。キンキンに冷えたバケツいっぱいの氷水を、頭からかけられたのだから。それも、ジャパッとかける訳ではなく、じわじわーっと、いっぱいの水をもう本当に流すかのように頭から体にかけるのだ。正直、冗談抜きで心臓麻痺になるかと思った。ここまでくると、悪ふざけとしか言いようがない。その場で居合わせた赤の他人の大人に向かって、頭からバケツいっぱいの水をかけるなんて、普通の感覚を持ち合わせた日本人なら、まずそういうことはしないが、トチ狂った駐在はやってしまうのである。しかも1日中である。

さらにタチが悪いのが、バイタクに放水する輩である。通りを走るバイタク。バイタクというのは、タイによくあるバイクのタクシーである。タクシーと言ってもバイクだ。バイクの後ろの席に、乗せてくれる、というのがバイタク。大体20バーツくらいで、ソイ(通り)の端から端まで乗っけてくれるものである。このバイタク、つまりバイクに向かって放水する輩がいるのである。一歩間違えれば事故。しかも、バイタクのライダーは、やめてくれと言っているのだ。真面目に。それでも放水を続けるのは、経験上、大体日本人の駐妻。それもお客が後ろに乗った状態である。道もウェットだし、バイクもずぶ濡れ。もう危ないとしか言いようがない。少し考えればわかるはずなのに、それでも放水を続けるのがトチ狂った駐在妻である。もちろん駐在妻の全ての人が、そういうふうになっている訳ではない。トチ狂った人のみである。なぜトチ狂うのか? それはもう海外生活のストレスと夫への鬱憤としか言いようがない。

そういう光景をコロナ前に、3年くらい経験したので、個人的にはソンクランの時にはバンコクに居ないことにしている。バンコクでのソンクランは、なんていうか、ヒヤヒヤするだけで、個人的に少しも楽しいものではない。もちろん、独身だったり単身赴任で家族が居なくて独りでバンコクに住んでいるなら、適当に顔さんでもタニヤでもナナでも出かけて大騒ぎしても良いけど、嫁さんと子供がいる状況で、バンコクでソンクランはできない。というのが結論である。

結論として導き出されたのは、ソンクランにバンコクに居てはいけないのだということだ。観光客なら良い。普段は日本にいて、旅の恥は掛け捨て的なやけっぱちな感じで、タイを満喫しにきている人は良い。ただ、バンコクに住んでいる人にとっては、ソンクランはちょっと居心地が悪い。少なくとも、僕にとっては居心地が悪い。別にお祭りが嫌いな訳でもないし、ハメを外すのが嫌いな訳でもない。ただ、トチ狂った人々と一緒にいると、ちょっと別の方向へのベクトルが生じるので、同じ日本人としてその辺を同じ扱いにされたくないということである。

そういう理由で、最初の2年くらいバンコクでソンクランを経験したが、3年目からはバンコク外に出ることにしていた。コロナ前にはバンコクを脱出してクラビに行ったりした。クラビでのソンクランは本当に楽しくて、それはそれは良い思い出である。

クラビの通りのソンクランの様子。これは2018年頃かなと。

こんなことなら、毎年ソンクランはずっとクラビで、、と思っていたら、コロナ禍になったということである。

そのコロナも、先日の政府の発表によれば、7月にはエンデミック扱いになるらしい。4月のソンクランには間に合わないけど、8月のお盆休みには、すでにエンデミックなので、おそらく空港での隔離や規制も無くなり、普通にタイに入国できるようになるのだろう。相当数の観光客がタイに訪れるだろう。このまま、また、コロナ前とまでは行かなくても、少しは賑やかなタイが戻ってくるということを、願うばかりである。

コロナ終わっても、心配なのは戦争である。しかし、中国から始まったコロナがやっと終わるかと思ったら、ロシアの戦争か。。と、思ってしまう。