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2022年4月5日

空室が目立つ日本人街のアパートは、家賃を下げずにどこまで耐えるのか?

 バンコクは海外の都市レベルで言えば、ロスアンゼルスに次いで日本人の多い都市である。色々な資料をググると、バンコク在住の邦人数は58000人くらいとのことである。そのバンコクにおいても、トンローエリア、プロンポンエリア、アソークエリアに日本人は集中している。特に子連れで駐在しているようなファミリー世帯は、ほぼほぼこの地域に集中するのである。当然のことながら、この地域のアパートやコンドミニアムは日本人居住率が高く、中には日本人100%という物件も少なくない。考えてみると、すごいことだ。海外の都市で、アパート丸々1棟の住人が全て日本人だなんて。しかも、そういう物件がたくさんある。日本人向けの食品を扱うフジスーパーが4店舗あり、日本食のレストランがたくさん林立しているのも、この辺りである。

日本人の街

誰かが言っていた。東京都バンコ区、、、。

朝は、大型アパートの駐車場に、日本人学校が借り切っているモントリ社のスクールバスが陣取り、日本人学校に通うことどもたちは、どんどんスクールバスに乗り込む。このスクールバスというのがまた、色々な物語を生むのである。例えば、誰かが寝坊で遅れれば、その子を待たなければならず、母親としては他の母親に対してすごく迷惑になるので、朝7時前からヒヤヒヤしたり。上級生と下級生で席順が色々と違っていたり。1台のバスで、数件のアパートを回るので、その回る順番がどうのこうのとか、とにかくお母さん達の話題が絶えない。

朝のトンロー通りやスクンビット通りは、このモントリ社の大小のバスを何台も見ることになる。トンローエリアの築30年近くある古いアパートは、床面積が250平米とか時には300平米を超える物件もあったりして、3ベッドルームでなおかつアヤさんと呼ばれるメイドさんの部屋なんかもあったりする。実は物件そのものはすごくボロいのだけど、築年数が古い物件はとにかく部屋が広い。そして大型のアパートだと、このモントリ社のバスの大型車が陣取ることになる。大きさとしては、社員旅行の観光バスの大きさである。ただでさえ狭くて渋滞がひどいスクンビットエリアの道路のあちこちに、モントリ社のロゴマークのバスが走る光景は、スクンビットの朝の風物詩と言えるだろう。

昼は、駐妻と呼ばれる駐在の夫を持つ奥様たちが集い、ランチ会なる催しをしながら、1食500バーツするようなランチを囲んだりして、その後カフェでおしゃべりをして、日がな1日喋り倒したり。小さい子供がいるお母さんは、アパート内の未就学児を遊ばせる公園のような施設で、日がな1日を過ごしたり。また、アパートには大体スイミングプールがあるのだが、そこにスイミングのコーチを呼んで、子供にスイミングを教えたりしたりしながら、駐妻の暮らしを楽しんだりしているのである。

レストランも、スーパーマーケットも、美容院もネイルサロンも、マッサージも、とにかく、全ての店において、日本人客というものを意識しているのだ。

コロナ前までは。

色々統計をみると、日本人の数はそれほど減っていないように見えるのだが、感覚的には間違いなく減っている。もしかしたら、単身で来る人は増えていて、ファミリーは減っているのかもしれない。バンコクの日本人ファミリーが、どんどん日本に帰国している。そして家族で新しく来るという人をあまり見かけない。ファミリーの中でも、例えばお父さんだけ残って、お母さんと子供は帰国したり、あるいはその逆もあったりで、とにかくバンコクの日本人ファミリーの数は減っている。

コロナ禍で日本人は減り、店はロックダウンを余儀なくされ、とにかく客が激減して潰れる店が頻出した。本当に、店がどんどん潰れていくのを目の当たりに見た。そんな中でも、歯を食いしばって生き残った店もある。特に日本人が多い地域の日本人向けの店は、大体、タイ人顧客をターゲットにシフトしてきている様子が散見される。あるチェーン店の居酒屋は、特にランチタイムなどは、ほぼほぼタイ人で埋まっている。日本人を意識した焼肉屋もラーメン屋も、半分以上の客が現在ではタイ人である。それはそれで、別に悪いことではない。タイ人が大半だからといって、日本人にとっては影響ない。

半数以上がタイ人客で埋まっている日本料理のレストランに日本人が入って行ったとしても、別に全く問題もない。これが例えば、半数以上が中国人だとしたら、少し影響はある。考えただけで半数以上が中国人客の店に入ってはいけるだろうけど、そこでゆっくり寛げるかと言ったら難しいと思う。それだけ、タイは親日国であるし、タイ人はみんな穏やかで優しいから、心配ないのだ。それに、日本食の店の価格帯は、タイ人の行くタイ料理の店の価格帯に比べれば、何倍も高いので、日本食レストランに居るタイ人はある程度お金のある層なのだと思う。まあ、とは言え、日本人客の方が単価は高いだろうし、満員にするのも日本人客だろうから、対人客にシフトしながらも日本人を待っていることには変わりないと思う。

空き家にしておいてまで、待っていて良いの?

そして日本人率100%を誇らしげに謳い上げていたアパートやコンドミニアムに、空き家が目立つようになってきた。理由は簡単である。日本人客が帰国したからである。トンロープロンポンエリアといえば、とても便利な街。もちろん日本人にとってもとても便利な街である。ということは、別に誰かのファミリーが帰国したとしても、次々と次の住人で埋まるのではないだろうか? 中にはウェイティングリストになっていて、空きが出ないなんていうアパートも結構あるのに、なぜ空き家なのだろうか?

日本人が減っても、便利な街に変わりないので、日本人以外の外国人がそこを借りてもよさそうなものであるのだが、なぜ空き家になってしまうのだろうか?

理由は簡単でとてもシンプル。

家賃が高いからである。

日本人以外の外国人は、そんな高い家賃のアパートはなかなか借りない。

では、なぜ、高い家賃なのに、日本人は入居するのか?

これも理由は簡単で、とてもシンプル。

会社負担だから、日本人が入居できるのである。

で、ここでまた疑問が。

では、空き家が多いにもかかわらず、日本人以外の住人が入らないのは家賃が高いからという理由であれば、なぜ家賃を下げないのか? という疑問が湧いてくる。

開けているより、家賃を下げてでも稼働させた方が良くないか?

これは少し理由は複雑で、まず、空き家になりがちな時代になったからといって、家賃を下げると、すでに入居している人たちの家賃も下げなければならなくなったりする。これが複雑である。

もう一つ、家賃を下げない理由がある。

日本人がもしかしたら、以前みたいな数に戻るのでは? という淡い期待がある。そもそも、トンロー、プロンポンにアパートを持っているようなオーナーは、裕福な人ばかり。別に少し稼動しないくらい、平気なのである。コロナ禍を一時の惨事と考えた場合、やたらと家賃を下げてしまうと、日本人の数が戻ってきた時に、また値上げはできない。


もし日本人が戻って来れば、明かにウェイティングリストができるくらいに人気の物件には変わりないわけである。

しかも、こんなファミリー物件に住むような日本人は、ほぼ100%が駐在である、会社から家賃補助が出ているということは、実はアパート側も理解しているのだ。

だから、日本人が戻ってくるのなら、それまであと一踏ん張りといったところで、家賃をやたらと下げないのである。アパート側は、理解どころか、理解も理解、そのアパート20年30年といった歴史に刻まれていることの1つに、どの企業がいくら家賃補助を出すのかという、会社名や金額までのデータが存在しているのだ。これはそのアパートに蓄積されたものである。

とにかく、今はコロナ禍。でももうすぐパンデミックからエンデミックに変えるらしい。つまり、コロナ陽性でも普通の風邪扱いにするとのこと。それはすでに、タイ政府は7月よ予定している。タイに来る駐在が増えれば、またすぐに潤うわけである。アパートの経営者は、殊に年末までには、日本人がどんどん増えるというような目論みがあるのだ。

だから、日本人街のアパート経営は、空き家があっても強気なのである。ひたすら、日本人ファミリー数の復活を待っているだ。

ただしこればかりは神様じゃあるまいし、誰も予測できるものではない。もし、このまま、バンコクに日本人が増えなかったら??

そのタイミングをいつを持って判断するのか? これは非常に難しい。

もし、何らかの判断で、もう新たな日本人ファミリーをターゲットとして期待することはできない! と、なった時には、トンロー、プロンポン、アソーク周辺のアパートの家賃は、まるで雪崩れ現象のように下がるのではないだろうか。

そうならないように、そうなる前に日本人が増えることを切に願っているのだろう。そして、その日が近い将来であることを想定して、空き家にも耐えているのだ。

さて、会社払いの日本人をターゲットにした家賃設定のアパートは、どこまで耐えられるだろうか?

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