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2021年11月12日

日本人なんて来ないでほしいと願う日本食チェーンとは?

https://flic.kr/p/2ef89NQ
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敢えて「なんちゃって」

なんちゃって日本食レストランに出会ったことありますよね。

そう、海外の旅先で。

なんちゃって日本食ショップに出会うことがあるかと思います。

日本人がオーナーなら、まだ良いと思います。

しかしながら、外国人オーナーの日本食レストランってどう思いますか? 中にはしっかりとした料理を出している店もあると思いますが、大体、「なんじゃこりゃ?」っていう経験が多いですよね。

例えば、アメリカに居た時、NYCの寿司は本当に素晴らしいものでした。もう、NYCといえば、洗練されているし、日本食にもリスペクトがある人も多い、洗練された都会です。

アメリカ人と言えども、ニューヨーカーは舌が肥えていますし、そんじょそこらの下手な日本人よりも、日本食の味を理解している人も多いです。

それなら良いです。

ただ、NYCと言っても、中国人、韓国人経営の寿司屋は、「なんじゃこりゃ?」が多かったです。どうやら、日本食に対するリスペクトの度合いが違うのかと思います。そこに来る客も、ビジターばかりで、ニューヨーカーは居ない感じですよね。


Tryした結果、「なんちゃって」になっちゃったのではなく、敢えて「なんちゃって」にしている店があったとしたら、どう思いますか?


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タイの話

首都バンコクには、約6万人の日本人が暮らしております。バンコクにおいては、もう、日本そのもので、日本食屋も日本人経営なので、ほぼほぼ日本人が期待する味に出会えます。

とはいえ、このコロナで色々な店が閉店しましたが、それでも諸外国に比べれば日本人がとっても多いと言えます。

都市別でみると、ロスアンゼルスの次に在外邦人が多いのがバンコクなのです。しかも、バンコクの場合は集中の仕方がハンパないです。ある特定の地域に、日本人が密集していて、コンドミニアムと呼ばれる、日本で言えばマンションですが、ほぼ100%日本人という物件もたくさんあります。

そんな日本人都市、バンコクにおいては、当然、親日派のタイ人たちも日本食が大好きです。バンコクのタイ人達は、日本食のクオリティまで知っている人も多いです。

バンコク以外では、なかなか日本食も浸透していません。どんなに親日国であっても、タイの地方に行けば、日本食なんて、ほとんど無いのが現状です。

そんな中で、最近、ある寿司屋が勢いを広げていて、チェーン店の数を増やしている店があります。

その店の存在を、日本人はほとんど知りません。タイ人にはある程度有名になっています。

その店の名は、

カイワンバン

ไข่หวานบ้านซูชิ สำนักงานใหญ่

@KaiwanBansushi 

もう、このネーミングを見てわかりますが、全く日本人を意識していません。

カイワンバンというカタカナは僕が勝手につけました。そもそもタイ文字で、英語でkaiwanbanとなっています。つまり、日本食だけど日本人に覚えて貰わなくても良い、という姿勢が見てとれます。別に敵対とかではなく、ターゲットにしていないのかと思います。タイで独自の路線を突き進みたいのかと思います。

実は、このカイワンバンが、どんどん勢力を広げているのです。日本人は、知らないと思います。僕も、全く知りませんでしたが、つい最近、タイ人の友人から聞いて初めて知りました。

「へえ、そんなに人気の店なら、行ってみたいなあ。」

と、僕がそのタイ人友人に言ったのですが、「やめておけ」と言われました。

「日本人を全くターゲットにしていないので、全てなんちゃって。日本人が食べれば、がっかりするはず。」

というのが、その友人の、僕に勧めない理由でした。

では、何故そんながっかりするような店が、勢いを伸ばしているのか?

この答えは、興味深かったです。全てが、この店の戦略なのです。

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戦略。。

「なんちゃってになっちゃった」のではなく、

敢えて「なんちゃって」にしているのです!

  • 本当の寿司なんて誰も知らないような地方の人がターゲット
  • 所得のミドルから低い人向けのマーケティングで、「寿司が食べられる」という客の満足度を狙っている
  • 都心に店舗はなくて、全て地方に展開している。日本人は全く相手にしていない。
  • 低価格、1貫高くても20バーツまで。

その友人は続けました。

「多分、日本人が行ったらがっかりするし、むしろ、店にとっても変な評価つけて欲しくないから、日本人なんかに来てほしくないのかもしれない。」

それがこの、Kaiwanの戦略なのかと思うと、友人は言っていました。

なるほど。。

彼らは彼らのマーケティングがあって、むしろ、タイの田舎でも寿司が食える。これが寿司なのか!みたいな層がターゲットだったのです!

そんな店を、たとえ儲かったからと言って、都会にでも出したら、変な評価がついて終わりだというのです。

まさに、このSNS先進国のタイならではの戦略と言えるかもしれません。

世界を旅しているような、富裕層タイ人は、本場の寿司だって知っているし、そんな人がターゲットではないのです。

むしろ、本場の寿司、本当の日本食を知っている層は、彼らにとってマーケティングの邪魔な存在なのです。

そして、日本人に知られる必要も全くゼロなので、敢えてタイ人フレンドリーな、タイ語の店名で、しかもwebもタイらしくFB中心で、文字も全てタイ語で展開しているのです。

このマーケット戦略は、大したものです。

ただ、、日本人としては、日本食が変な方向で紹介されるのは、複雑な心境にはなりますが、これがタイスタイルです。

そもそも、日本人も例えば、ラーメンとかチャーハン、餃子なんかの、よくある街の中華料理屋って、中華といっても、完全に日本で進化したものですよね。中国人なんか、全く意識していません。理屈的にはそれと同じような気もするので、なんちゃって寿司を見たからと言って、日本人が複雑な心境になるのは、上から目線かもしれないのです。

タイで独自に進化する、日本人を全く無視した日本食の快進撃は続きます。