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2021年9月25日

「一人の外国人として」生きていけるか

日本人のアイデンティティは「日本人である」ということと「会社」?


「日本から来た。」
日本人は、海外において、日本人であるということを強調しすぎです。自分のことを相手に伝えるときに、とりあえず日本人であるということを強調します。

日本人以外の人は、もちろん自分が何人であるかは言うと思いますが、自分自身はどんな人物なのかを強調するのかと思います。

日本人はだいたい、「日本人です」で終わらせてしまうことが多いと感じます。もちろん、日本人であることを告げるのは良いです。わかりやすいですし。

「日本人である。」ということだけで全てを済ませようとする日本人。

自分のことを相手に伝えるのが苦手な人が多いのです。

日本人は、海外において、

「日本人として」ではなくて、「一人の外国人として」生きていけるのでしょうか?


日本人としての誇りを持つことは大事ですが、海外に来ているというマインドセットをするべきかと思います。

なぜ海外で日本人が「日本人として」ということを強調したがるかといえば、日本というブランドを傘に着たいから、都合の良い時に使いたいからかと思います。

現地の住人たちも、「あー、日本人か。」ということになり、話が早くなります。

特に東南アジアなどの親日国においては、だいたいのケースで良くしてもらうことの方が多いかと思います。

例えば、アメリカでも東南アジアでもヨーロッパでもどこでも、海外から移住している人はたくさんいるでしょう。

諸外国から来た人から見れば、日本人が自己紹介するときに、「自分は日本人」といっておしまいだと、ただの面倒臭がりな人種か、ただ言語が苦手な人とみなされて終わるかと思います。

もう一点は、海外において、日本人と、その他の諸外国から来ている人々の違いは、日本人はほとんどの場合、必ず日本に帰ると言うことです。ここは意外と大きな違いです。

日本人に比べると、諸外国から来ている人は、実際、そこの国に完全に移住を試みている人が多いです。

いずれ日本に帰る


個人的な経験ですけど、僕がアメリカに住んでいた時に、沢山の外国人と友達になりました。台湾人、韓国人、ウクライナ人、タイ人、インド人、などなど。彼らはみんなまだアメリカに残っています。その時に居た日本人は、自分も含めて1人もそこには残っていません。

「いずれ日本に帰る。」と言う観念が、海外在住の日本人のメンタリティにあるかと思います。

諸外国人は、そこに根を張る。


例えば同じアジア人でも中国人や韓国人は、少し違います。韓国人にもいずれ韓国に帰ると思っている人ももちろん沢山居ますが、一方で、その国、今いる海外の国に骨を埋める覚悟という人も多いのも事実です。

アメリカにいた時にはネイルサロン経営や、クリーニング店経営の韓国人が沢山いて、その国に根を下ろして暮らしています。

マンハッタンのコリアンタウンの規模の大きさには、圧倒されます。スーパーマーケットもあります。あとタクシーもすごいですよね。マンハッタンには大型のアメ車の韓国のタクシーがたくさんいます。合法なのか、どうなのかは知りませんけど、とにかく多いのです。

マンハッタンによく韓国人と遊びに行ったのですが、日本人だけでは体験できない沢山のことを経験しました。

韓国スーパーマーケットで韓国食材を購入して、韓国人経営のホテルに泊まって、韓国タクシーでぐるぐる観光して、焼肉レストランで食事して、夜は、友達に韓国人ばかり集まる韓国キャバクラに連れて行ってもらいました。

常々、アメリカでキャバクラ的なものって、色々成立しないだろうと思っていたのですが、ミッドタウンのビルの中に、看板もなく、外から見てもわからないのですが、韓国キャバクラが存在していて、経営者も、ホステスも、客も、全員韓国人でした。そしてとても安全な場所でした。

ちょっと話題がずれますが、それだけアメリカに根をはって生きていこう、アメリカで骨を埋めようという覚悟の現れが、現地の韓国人にはあると言えます。大きなコリアンタウンは、その証でもあります。

ところが日本人はどうでしょうか?

日本人だけ特殊


日本人のメンタリティとして、海外では(日本でもそうですが)、まず自分の勤めている会社がアイデンティティの先頭に来ます。こんなの、本当に日本人だけです。

例えば、タイなら、「トヨタ自動車タイランドの高橋です。」とか、「伊藤忠タイの佐藤です。」というように、日本人には、自分のアイデンティティに会社がかぶさっているのです。

とてもじゃないけど、その現地で根を張って生きていくという雰囲気ではありません。

タイにおいても、日本人は、駐在先であるタイの現地法人の中のしきたりで生きています。

せっかくタイにいても、タイ人と友達になろうとかいう考えは、あまりありません。それどころか、現地で採用されたタイ人に対しての扱いは、「日本人をサポートする人たち」という位置付けが多いです。

なぜなら、日本人はタイに駐在できたとしても、タイ語はもちろん、英語もできないという人が多いので、タイの現地法人では、日本語堪能なタイ人を採用するのです。

そしてそのタイ人従業員たちが、日本人駐在員のサポート的な仕事をするという構図が出来上がっております。

こういうメンタリティは外国人が多いタイにおいても、日本人だけが特徴的に持っていると言えるかと思います。

例えば、タイ在住のアメリカ人やヨーロッパ人、中国人や韓国人は、タイ人がサポート要員だなんて思っていないのです。

日本人以外の外国人は、自らタイ語や英語でコミュニケーションを取ろうという人がほとんどです。

当たり前です。日本人だけが、日本語優秀なタイ人を雇って、その人を使って色々と手続きをさせようとしている状況です。

この風習は、本当に良くないと思っています。タイ人を見下すようなカルチャーは、やめた方が良いかと思っております。

日本人で、日本から来た。。ということを前面に出さずに、タイ(に限らず他の国でも)でビジネスをして成功しようなんて思っている人がいるでしょうか?

まず、日本の国力を傘に着ようとするのです。

日本人は、根を張って海外で生きていこうという人がもう少し現れても良いかと思います。

もちろん、そうならない理由も理解できます。

なぜかといえば、日本人にとって、別に海外で頑張らなくても、日本が素晴らしいから。ということです。

海外に出る必要が、そもそも日本人には無い。


政治的に、経済的に、文化的に、海外に出ざるを得ないというか、海外に出た方がメリットがたくさんるという諸外国の人々に比べれば、日本人は何も別に海外で暮らした方が良いなんてことはありません。

それだけ日本が素晴らしい国なので、海外に根を張る必要性もあまりないのです。

ですので、会社の辞令などで海外に出ても、いずれは日本に帰るのです。わざわざ自ら進んで日本を出て、海外で暮らすことに、それほどのメリットはないのです。それが日本人です。そこは理解できます。

ところが、この先は日本国はどうでしょうか?


日本人の給与はどんどん落ちています。OECDのデータではOECD諸国の平均よりも低く、韓国よりも実は低いのです。

高齢化は進みます。医療費は嵩みます。


日本は、国民皆保険です。それは素晴らしい制度です。どんなに高額な医療費がかかっても、ある程度の負担で済むのです日本人は。

ところが、逆説的に捉えれば、このような言い方もできます。
「日本人の医療費は、国が賄わなければならない」
「日本人は、自分で医療費を払うことはできない」

厳密にいえば、自由診療で自費で支払うことは可能ですが、普通に病気になって大きな病院に罹らなければならないという時には、現実問題として保険診療になります。

現実問題として、国が医療費を負担してくれる、いや、しなければならないのです。

言い方変ですけど。諸外国の人から見れば、素晴らしい制度かと思いますが、日本の若い人にっては、この日本という国はどうですか?

データによれば、数年後には、現役世代1人につき、老人1人以上を負担しなければならなくなります。つまり、自分がどんなに稼いでも、国に持っていかれます。

若手への負担だけがどんどん増えて、その上給与がどんどん下がってきます。日本人の平均給与は、この30年変わっていないのです。

日本が住みづらい国になるのがもう目の前です。


そろそろ、日本人の中にも、日本脱出しようとしている人が多くなっているのは、肌で感じます。有名人でも、どんどん海外に出ていますよね。

どこの国に移住しやすいのか?なんてことを考える人も多くなって来ています。

  • タイは移住しやすいです。今のところ。
  • マレーシアはハードルが上がりました。
  • シンガポールは元々物価が高いです。
  • インドネシアもハードルが上がりつつあります。
  • アメリカはそもそも、物価も高いしハードです。
  • オランダは、移住しやすいらしく今注目されています。
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などなど、ネットを開いて海外移住のキーワードサーチをすれば、情報に溢れているところです。それだけ、日本人にとって、移住というのは関心が高まって来ていることなのです。

1人の外国人として海外で生きていけるようなマインドセットを持った日本人が、居るかどうかかと思います。


もし、海外に出たいのなら、もし移住したいのなら、日本人は日本人としてではなくて、1人の海外から来た人として、海外で勝負した方が良いかと思います。すべきなのです。

日本は、若い世代にとって、将来もずっと住みたい国でしょうか?

それとも、移住を考えた方が良いのでしょうか?

すでにその時代は、もうとっくに来ています。