2025年6月21日土曜日

『一切なにも言われない』という自由を知ってしまった話

 バンコク中心部から電車や車でたった20分ほど移動するだけで、街の風景がガラリと変わる。

高層ビルが立ち並ぶエリアを離れ、少し郊外に出ると、まず驚くのが空間の広さだ。店構えも内装もゆったりしていて、特にカフェは“ここで本当に営業してるの?”と心配になるくらいの広さと空き具合。テーブルとテーブルの間もゆとりがあり、ソファ席なんかも贅沢に配置されている。


しかも、その空間にWi-Fiが爆速で飛んでいる。電源もバッチリ。静かで、冷房も快適。まさにノマド天国。PCを開いた瞬間、「あ、ここに1日いても全く問題ないな」と確信できる。


「こんなに空いてて、商売になるの?」と、思わず心配してしまうこともある。実際、明らかに利益度外視で運営しているとしか思えないカフェも多い。中には、オーナーが資産家で、税金対策や趣味でやっているケースもあると聞く。それくらい、経済的余裕を背景に、のんびりと成立している世界がそこにはある。


何より、長居しても店員の視線すら感じないという空気感が心地よい。日本だと、たとえ田舎のカフェであっても、「おひとりさま一品注文制」だったり、「2時間制です」と言われたり、やんわりプレッシャーを感じることが多い。もちろん、店側の気持ちもわかるけれど、やはり気を遣う。


でも、タイは違う。どれだけ居ようが、誰も気にしていない。お代わりしなくても文句なし。むしろ、「よく来てくれたね」くらいの余裕と優しさが漂っている。ノマド生活者にとって、これほどありがたい環境はない。


人が多すぎず、スペースが広くて、インフラも整っていて、居心地がよくて、誰にも干渉されない。

そういう場所って、実は世界中探してもなかなかない。

ここには、それがある。タイ、ほんとに良い場所だなと思う。