バンコクはとにかく美容クリニックが多いけど、大丈夫なのか?
都会にはもちろん、郊外にも、なんなら田舎にもある。
見てると、ニキビケアとか、ボトックスとか、痩身とか、まあ、色々本当に施術メニューがあるのだけど。
ボトックスって、大丈夫だろうか?
ていうか、医者がやってくれるの?
まさか医師免許ない人がボトックス打ってくれるの?
謎が謎を呼ぶ。
ピンクのほったて小屋でボトックス
バンコクを歩いていると、美容クリニックの看板がやたら目につく。
ニキビ、ホワイトニング、ボトックス──
このあたりが三種の神器。若返り三銃士。
そのへんのモールの中にあるのは分かるけど、郊外に行ってもなぜかある。
ピンクに塗ったプレハブみたいな建物で、しっかり営業している。
タイのすごいところは、こういうクリニックでも「Botox」の文字が堂々と掲げられてること。
ボトックスって、一応、医療用の注射ですよね?
つまり、打つには医学部を出た医師が必要なわけです。
ということは──
このピンクのほったて小屋にも、MD(ドクター)がいるってこと?
これが、タイの奥深さというか、柔軟さというか。
一応、医師免許を持った人が「在籍」してるケースが多い。
でも「常駐」してるとは限らない。
週に一回来る契約ドクターだったり、
最悪、名前だけ登録してるだけだったり。
まるで、名前貸しだけの管理薬剤師がいるドラッグストアみたいだ。
で、実際に注射してるのはというと──
「研修を受けたナースです」
「ドクター監督下の美容アシスタントです」
そんな説明がされることもある。
もちろん、法律的には医師が施術しなきゃいけないんだけど、
「監督下ならOKよね?」という、ゆるふわ解釈が現場でまかり通っていたりする。
もちろん、全部が全部そうじゃない。
ちゃんと医師がやってる優良クリニックもたくさんある。
けれど、そこはタイ。
ルールよりも「実用主義」で社会が回っている。
「これ、ほんとに大丈夫かな…?」と思うような見た目の店でも、
地元の若者がスマホ片手に普通にボトックス打ちに来てる。
しかも、打った本人が「めっちゃ効いた!」ってインスタに上げてたりする。
タイには、こういう「見た目と中身が一致しない美学」がある。
観光客から見れば「えっ?」な施設でも、
地元では「コスパ最強」みたいに評判が良かったりする。
たぶん、日本人が想像する「医療のハードル」って、
タイ人にとっては「美容の選択肢」の一つにすぎないのかもしれない。
カフェでお茶する感覚で、
ピンクの小屋でボトックス打って帰る。
この自由さと、ゆるさと、
でもちゃんと回ってる感じ。
タイって、そういう国なんだなと、今日も思う。