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2022年1月30日

実は、それは日本卓球の転換点ともなるべき瞬間だった。

日本の卓球の歴史を変える出来事だった気がします。
試合ではなくて、試合の後のインタビューです。

松平健太選手が全日本卓球で、準優勝しました。

2022年1月30日(日曜日)の出来事です。

松平健太選手は、卓球ファンの方なら、誰でも知っている選手です。

試合後のインタビューで、パリオリンピックを目指す可能性を聞かれて、あっさりと、そしてバッサリと「無い」と答えているのが印象的です。



松平健太選手に関しては、個人的にオリンピックでメダルを取れる選手だと、昔から思っていました。個人的な感想ですけど、水谷選手よりも上だったと思います。

圧巻なのは、2013年のパリで行われた世界選手権で、中国のナンバーワン、馬琳選手を破った試合です。

かれこれ、10年近く前になるのですね。



話を今日の試合、全日本選手権に戻しますと、試合後のインタビューで、松平選手は、パリオリンピックへの挑戦権はあるが、考えていない。今は、次のTリーグの試合に集中して、それが終わったらまた次の目標を考えたいと言っています。

実は、この発言が、個人的にすごく卓球界全体に意味の深いものだと感じるのです。

「オリンピックには出ずに、Tリーグにフォーカスする。その後は次の目標を考える。」

  • パリオリンピックには、今回仮に優勝したとしても、選考会には出いことは決めている。
  • 今回良かったこととは、オリンピックと全く関係ない。
  • 直近だと来週にTリーグがあるので、まずはTリーグで優勝を目指す。
  • その後は何ヶ月も開くので、次の目標を決める。


個人的に、このインタビューで、日本における卓球競技そのものの歴史が動いた気がします。


僕の個人的な見解とは、

マイナー競技ほど、オリンピックの比重が重い。
メジャー競技ほど、オリンピックの比重が軽い。

というものです。

メジャー競技といえば、たとえば野球です。
野球選手にとって、オリンピックに出るということの意味は、さほど重くはないです。重くないというと、誤解がありますが、もちろん選手は一生懸命必死にやっているかと思います。
ただ、野球選手にとって、目指すものとは、一般的にオリンピックではないのです。
イチローや松井、大谷選手がオリンピックを目指してやっているわけではありません。

サッカーもそうですよね。
FIFAでは、オリンピックはU20でしたっけ? とにかくフル代表と呼ばれる日本代表は、ワールドカップを目指しますし、ワールドカップに出られなくても、サッカー選手なら色々と目指すものはあります。いずれにしてもオリンピックではありません。

テニスも同様です。
オリンピックに出場すれば、それはもちろん、必死にプレーすると思いますが、現実的にテニス選手にとって目指すものは4大大会であり、オリンピックは二の次ですよね。


で、ここから松平健太選手の発言の意味が重くなってくるのです。
だからこそ、日本卓球そのものの時代の転換点とも捉えても良いのでは? と思える発言なのです。

つまり、卓球も、もししかしたら、Tリーグとか、国際大会も今年から今までの「世界選手権」というものに加えてWTTとか新しい大会がでてきています。

そうです。

もしかしたら、卓球もスポンサーがたくさんついて、メジャーになってくると、別にオリンピックだけを目指すものでも無い、、という競技に生まれ変わるかもしれないと思っています。松平健太選手のインタビューを聞いて、彼は数年先を行っているのでは? と思いました。

「オリンピック、別に出なくても良いから。。」
今後、こういう卓球選手が出てくるかもしれません。

もちろん、オリンピックに出たら、必死にやると思います。ですけど、考えてみると、この卓球の人口ものすごく多いのに、オリンピック代表って3人です。

3人って、苦しいです。

この競技で3人しか出れないって、苦しすぎます。


マイナー競技は、4年に1回、世間に注目される時が訪れます。それがオリンピックです。オリンピックが無い年は、全く脚光を浴びないアスリートがたくさんいます。

メジャーな競技の選手は、オリンピックイヤーでなくても、脚光を浴びることができます。メジャーだからです。

もし卓球が、TリーグやWTTでどんどんスポンサーもついて、今よりももっと脚光を浴びるような競技になるのであれば、もう、3人しか出れないオリンピックにフォーカスしなくても良くなるかもしれません。

卓球選手にとって、別にオリンピックを目指さなくても価値のある目標がたくさん出てくるという日が、もう目の前なのかもしれません。

松平健太選手のインタビューは、日本の卓球の未来について、すごく意味の深い、奥の深い出来事だったと思います。