まあこれが変な話、その我儘し放題のタイの子供って、結構まともに育っていると思う。もちろん、これも筆者がタイで見てきた7年間の自分調べではあるけど。
まず、タイの子供で、富裕層と、そうでない層に分けて考えてみる。
そもそも、富裕層も、そうでない層も、流石に高校生くらいになれば、落ち着かなくて床に寝転んでしまうとか、大音量を周囲に漏らしながらパブリックの場でスマホに見入るなんてことはないのだ。
それはもちろん、我儘し放題の我慢の利かない子供であったとしても、成長すれば、それなりに大人になる。当たり前だけど。
その上で、富裕層とそうでは無い層の子供を考えてみる。
富裕層
富裕層と言っても、とてつもなく富裕層と普通の富裕層に分けられると思うけど、そもそも、普通の富裕層と言っても、日本人から見たら、めっちゃ金持ちの部類に入る。通常、タイの普通の金持ちは、日本の金持ちの上の方よりも金持ちである。
大体、ビジネスをしていて、しかも会社がいくつかあり、親戚が勤めているという感じである。タイは基本的にファミリービジネス大国である。つまり、会社をいくつか、家族で経営しているのだ。
タイのファミリービジネスといえば、まず思いつくのはCPである。まあ、そんな、とてつもなく金持ちではなくても、大体富裕層はファミリー経営だ。
そのファミリー経営が故に、トラブルもあったりするのだけど、それはまた別途記事にできればと思う。
とりあえず、富裕層の我儘子供の行く末は、適当に大学を出て、自分の親が経営する会社に勤めることになるだろう。会社が無い親でも、適当にコネでどこかの会社に入るということになる。東南アジアあるあるだけど、タイはものすごいコネ社会である。まあそれは想像できるだろう。
というわけで、我儘だろうと、なんだろうと、到底日本では相手にされれないような子供でも、ティーンエイジャーになれば落ち着いて、その後親のコネでとにかく就職には困らないという行く末である。
富裕では無い層
これももちろん、筆者が7年間で見てきた人々についてであるので、タイの全ての人々を表すものではない。とても主観的なことではある。
まあとにかく、例えば、超我儘であっても、前述の通り、高校くらいになれば落ち着く。で、適当に働くことになる。
タイの若い人たちは結構、明るく働いていて、幸福感は高いと思う。
コロナでバンコク経済がボロボロになった時でも、若い人は田舎に帰って、田畑やフルーツ畑で働けるのだ。いつでも働ける。
贅沢も考えないし、日本みたいに不安を煽るような情報も少ないので、明るく楽しそうである。将来のことなんて、不安はあまりない。
この、将来の不安のなさは、ある意味タイ人の特技ではないだろうか?
関係ないかもしれないけど、例えば、貧乏でホームレスになっちゃったとしても、1年中暑いので、日本みたいに凍死することは無い。
少しでも田舎に行けば、例えば、空き地にバナナやココナツの木が生えている。マンゴーやタマリンドも誰のかわからないような広大な土地に生えているのだ。
バンコクでは店でバナナを売っているけど、田舎に行けば、バナナは誰かのうちに生えているのを貰って食べたりしている。バンコク郊外でも、バナナは特段、お金をもらうことなく人から人に行き渡ったりしているのだ。
将来への不安があんまり無い
もちろんこれは、筆者がそう思っているだけのことではある。ただ、7年間、タイの人々を見てきて、本当にそう思う。
安心か、不安かなんて、統計も見たことがないので何とも言えないけど、筆者の感覚だと、タイ人は、将来への不安が日本人に比べれば圧倒的に少なく、また、自己肯定感が日本人に比べると、とてつもなく高い。
つまり、幸せなのである。タイ人は、幸せだと思う。
それは、根底に、食糧への不安がないことからも来ているかと思う。
日本の28%に対して、タイの食料自給率はなんと156%!
タイ人の感覚の根底に、食べ物がなくなるという概念は無い。
タイ人の感覚の根底に、冬に備えるという概念は無い。
タイ人の感覚の根底に、食べ物を買うために働いてお金を得るという概念がないのではないだろうか?
つまり、タイ人の感覚の根底には、貧しくて死ぬという概念がないのかもしれない。将来を心配するとかいう感覚が、日本から見ると到底かけ離れている。
もちろん、タイ人も働かなければ、貧乏になり、貧乏になれば辛い。とはいえ、日本人みたいに将来が不安で鬱になるとか、そういう感覚は無さそうである。
実際に、時間があると昼寝するし、将来のことなんて、気にしていないと思う。自己肯定感や、幸福感は、日本人に比べれば格段上である。
富裕では無い層であったとしても、タイ人の幸福感は高いのだ。